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「えっ、お湯が出ない!?」エコキュートの湯切れ対策と沸き増し中のシャワー事情とは?

エコキュートは貯湯式の給湯器のため、「湯切れ」という現象が起こるケースがあります。
特に暑い日が続く夏場などに起こりやすく、急にお湯が出なくなってしまいます。
この記事を読むと、エコキュートでなぜ湯切れが起こるのか、その仕組みと原因、予防対策について、また湯切れになった場合に沸き増しする際の注意点についてわかります。
目次
1.突然お湯が出ない!湯切れの仕組みと原因

エコキュートを利用しているときに、湯切れのために急にお湯が出なくなるケースがあります。
その仕組みと原因について解説していきます。
(1)エコキュートの基本構造
エコキュートは、屋外に設置されたヒートポンプユニットで熱を生み出し、その熱で水を高温に沸かし、貯湯タンクに貯めておく仕組みになっています。
一般的には、電気料金の安い深夜の時間帯に翌日使用するお湯をまとめて沸かしておきます。
お湯を使う際は水道水を混ぜ合わせて給湯するので、貯湯タンクが370Lであれば2倍の740Lほどのお湯が使用できる計算です。
(2)湯切れのよくある原因
湯切れとは、貯湯タンクに貯めておいたお湯を使い切ってしまい、お湯が足りなくなってしまった状態です。
原因としては、何かしらの要因で普段よりお湯の使用量が急激に増えたことが考えられます。
例)
- 親戚などが泊まりに来てお湯の使用量が増えた。
- 夏になってシャワーを浴びる回数が増えた。
- 浴槽にお湯を貯めつつ、シャワーを長時間使ってしまった。
- 配管に穴が空いて水漏れを起こしている。
また、給湯温度の設定が低い場合は混ぜ合わせる水道水の量が少なくなり、貯湯タンク内のお湯を多く使用しますので、低すぎる温度設定が原因で湯切れを起こしている可能性もあります。
2.沸き増し中にシャワーやお湯はりはできる?

湯切れが起こり急にお湯が使えなくなったら大変ですので、エコキュートは「沸き増し」ができるようになっています。
沸き増しの仕組みや注意点について解説していきます。
(1)沸き増しとは
エコキュートは基本的に深夜にお湯をまとめて沸き上げますが、お湯が足りなくなった場合は昼間の電力を使って沸かすこともできます。それが「沸き増し」です。
昼間の電気を使うため電気代が高額になりますので、節約のためにはなるべく沸き増しを避けるようにした方がよいでしょう。
(2)沸き増し中にシャワーは使える?
沸き増し中にシャワーを使うことはできます。
ただし、使用しているお湯の量が沸き増ししているお湯の量を上回ると水しか出なくなりますし、給湯温度や水圧も安定しない可能性があります。
沸き増しにかかる時間についてはメーカーによって差はありますが、1時間で約100Lが目安です。
これはシャワーの使用時間で10分ほどの湯量ですので、沸き増し中のシャワーについては使用時間に注意してください。
(3)沸き増し中にお湯はりはできる?
貯湯タンクが空になった状態から浴槽に湯はりできる状態まで沸き増しするには、4時間ほどかかります。
ただし、沸き増し中であっても残湯量表示が2から3程度であれば、浴槽のお湯はりは可能です。
(4)家族が続けてシャワーを使うときの注意点
明らかにいつもより多くの人がお湯を使ったことで湯切れし、沸き増しとなった場合、シャワーで済ませることが多くなるでしょう。
その際に注意しなければならないのは、1時間沸き増しした湯量は、シャワー時間10分相当だという点です。
沸き増しの最中に多くの人が連続してシャワーを使ってしまうと、容量オーバーのため途中でお湯が水に変わってしまいます。
沸き増し中にシャワーを使う場合は、沸き上がったお湯の量を確認しながら、時間をあけて利用するのがよいでしょう。
エコキュートのタイプによっては追い焚き機能がなく、再加熱ができない?
エコキュートには3種類のタイプがあります。
給湯専用タイプ、セミオートタイプ、フルオートタイプで、追い焚きの機能があるのはフルオートタイプのみです。
他のタイプで浴槽のお湯の温度を上げるには、高温たし湯を利用することになります。
3.湯切れしにくくなるための6つの対策

ここでは、昼間の高額な電気料金で沸き増しすることを避けるため、湯切れを予防する方法を6つご紹介していきます。
(1)夏でも給湯温度は50℃より下げない
エコキュートの給湯温度は夏であっても50℃より下げないようにすると、混ぜ合わせる水道水の量を減らさずに利用できますので、湯切れになりくいです。
節約のためと考えて給湯温度を40℃くらいにしてしまうと、混ぜ合わせる水道水の量が少なくなってタンク内のお湯を多く使うことになり、湯切れになりやすいので注意が必要です。
(2)使用時間をずらす
来客が多い場合は使用時間をずらし、沸き増しも利用していくと、いつも以上にお湯を使っても湯切れを回避することができます。
お湯の使用時間が集中し過ぎないようにするのがよいでしょう。
(3)節水シャワーの過信は禁物
節水シャワーヘッドを導入すると、少ないお湯の量でシャワーの水圧を強くすることができます。
だからといって、いつもより多くの時間利用していると湯切れの原因になりますので、過信は禁物です。
節水シャワーヘッドにしつつ、通常通りのシャワー時間を維持するのがよいでしょう。
(4)タンク容量と使用量のバランスを見直す
家族の人数が多いなど、貯湯タンク以上のお湯を使うと湯切れが起こります。
頻繁に湯切れが起こる場合は、容量の大きいタンクに交換することを検討しましょう。
ただし、エコキュートは、貯湯タンク内の高温のお湯に水を混ぜて適温にするため、実際に使用できるお湯の量はタンク容量よりも多くなります。
沸き上げ温度の設定を使用者が調節できるタイプであれば、現在より高温にすることで、湯切れを起こしにくくなる可能性があります。
ただし、沸き上げ温度を高くすると、それだけ給湯に電気代がかかるため、光熱費とタンク交換の費用を比較して検討するようにしましょう。
(5)昼間焚き増しモードや学習機能を活用する
多くの最新型エコキュートの中には、学習AIが平均的なお湯の使用量を計測して沸き上げをしてくれるタイプがあります。
また、お湯が不足してきたら、昼間であっても自動で沸き増ししてくれる機能も搭載されていますので、手動ではなく、最新機能をONにして有効活用すると、湯切れ予防ができます。
(6)給湯使用量をチェックして目安を知る
リモコンやアプリから、毎日どのくらいのお湯を使用しているのかといった統計が簡単に確認できます。
なるべく毎日確認して、お湯の使用量が増えてきているなと感じたら、シャワー時間を意識して少し短くすると、さらに湯切れ防止に繋がります。
沸き上げ温度と給湯温度の違いに注意
「沸き上げ温度」は、貯湯タンクに貯めておくお湯の温度で、沸き上げ温度以上のお湯を使うことはできません。
メーカーにもよりますが、一般的に沸き上げ温度は65℃~90℃くらいに設定されています。
一方、給湯器のリモコンに表示される「給湯温度」は、使用者が自由に設定できます。
夏は給湯温度を50℃くらいに設定することで、実際に使うお湯との温度差が小さくなり、節電に繋がります。
混合水栓で最終調整した実際に使うお湯の温度は40℃くらいです。
給湯温度を50℃くらいに設定するとほどよく水が混ざるため、湯切れを起こしにくく、最適な温度でお湯を使うことができます。
4.よくある質問

Q1. 沸き増しに切り替わるタイミングは?
貯湯タンク内のお湯の残量が一定以下になると、自動で沸き増しに切り替わります。
学習機能により、過去の使用状況をもとに先回りして、沸き増しが行われる設定もあります。
Q2. 一度湯切れすると、完全復旧までどれくらい時間がかかりますか?
タンク容量にもよりますが、貯湯タンクが完全に空になった場合、満タンにするのにおよそ7~8時間かかります。
高効率モードや急速モードがあれば短縮可能ですが、メーカーやタンク容量によって異なります。
Q3. お風呂の残り湯を再加熱して使えますか?
追い焚き機能のあるフルオートタイプのエコキュートであれば、残り湯の再利用が可能です。
追い焚き機能がないタイプは再加熱できませんので、残り湯は洗濯などへの再利用に使いましょう。
Q4. 電気代を抑えつつ湯切れを防ぐ方法は?
給湯温度を高め(推奨は50℃)に設定し、使用ピークの時間帯をずらすことで、湯切れのリスクを抑えられます。
加えて、夜間の安い電力で沸き上げを済ませる「夜間沸き上げ優先モード」も活用しましょう。
Q5. 自宅のエコキュートの貯湯タンク容量を確認するには?
エコキュート本体に貼付されている製品ラベルや、取扱説明書にタンク容量の記載があります。
家庭用では一般的に、300L~460Lの範囲が主流です。
家族の人数に対して適切かを確認することも大切です。
5.まとめ

エコキュートは湯切れが起こりやすいのがデメリットだと言われることがありますが、しっかり予防していけば不便な思いをすることはありません。
こまめにお湯の使用量を確認しつつ、最適な設定でエコキュートを利用していくと快適な生活を過ごせますよ。