エラー920,給湯器

省エネ性能の高いガス給湯器であるエコジョーズを長く利用していると、リモコンに920または930のエラーコードが表示されることがあります。
これはエコジョーズの中和器が寿命を示したエラーコードです。

ここでは、中和器の仕組みとエラー920が表示された際の対処法、さらに修理・交換の費用相場についてくわしくご紹介します。

1．給湯器でエラーコード920が出た！ どうして？

ガス給湯器のエコジョーズを利用していてリモコンにエラー920が表示された場合、故障ではありませんのでしばらくお湯を使い続けることができます。
ただし、そのまま放置しているとエラー930が表示され、給湯器は作動しなくなり、お湯は使えなくなってしまいます。

まずはエラーコードが表示される原因について解説していきます。

（1）エラー920が表示される原因

エラーコードは基本的にどのメーカーでも共通していますので、エラー920の原因は同じです。
メーカーごとのエラー名称は以下のようになっています。

• ノーリツ　→　中和器寿命予告
• リンナイ　→　中和器寿命警告表示
• パロマ　→　中和剤減少報知
• パーパス　→　中和器交換警告

「中和」というのがキーワードで、従来のガス給湯器には搭載していない中和器の寿命が近づいていることを示しています。
あくまでも寿命が近づいていることを知らせるものですので、エラー920がリモコンに表示されてもお湯が出なくなることはありません。

（2）エラー930が表示される原因

エラー920が表示されてからも給湯器をそのまま使い続けていると、今度はエラー930が表示されます。
メーカーごとのエラー名称は以下のとおりです。

• ノーリツ　→　中和器寿命
• リンナイ　→　中和器寿命告知
• パロマ　→　中和剤交換時期報知
• パーパス　→　中和器寿命交換

こうなると中和器が寿命を迎えたため、給湯器は作動しなくなりお湯が出なくなります。
ですからエラー920が表示されたら、なるべく早く対処するようにしましょう。

（3）エコジョーズの中和器の役割と寿命

エコジョーズに搭載されている中和器の役割は、強酸性であるドレン水の中和です。
エコジョーズは、従来のガス給湯器で排気していた排気熱を二次利用することで、省エネ効果を生み出しています。
この二次利用する際に、給湯器内にドレン水という酸性の水滴が発生するのです。

ドレン水は排水しなければなりませんが、そのままの状態で排水しようとすると配管が酸性の効果でダメージを受けてしまいます。
そのため中和器内で炭酸カルシウム（中和剤）を通して、中和してから排水しています。
中和器が寿命を迎えるとドレン水が中和できなくなるため、給湯器が作動しなくなってしまうのです。

中和器の耐久性の目安は、燃焼時間がおよそ13,000時間です。
4人以上の家族で給湯器を使用していると、10年を過ぎたころからエラー920が表示される可能性が高くなります。
エコジョーズの寿命がおよそ10年ですから、だいたい同じ時期に寿命を迎えますが、燃焼時間が長い家族の多い家庭の場合はそれ以前に中和器の寿命を迎える可能性があります。

2．エラーコード920が出た場合の対処法

エラー920がリモコンに表示されたときの対処法は、中和器を交換するか、新しい給湯器に交換するかのどちらかです。
エラー920が表示されても、中和器の寿命が近づいてきていることを通知しているだけなので1カ月から2カ月はお湯が出ます。
その間はひとまず、エラー表示を消して給湯器を利用しましょう。
エラー表示は、給湯器の運転を停止し、リモコンをオフにしてリセットするか、それでも表示が消えない場合は給湯器本体の電源プラグを抜きさししてリセットします。

エラー920が表示されてからおよそ50時間使用すると、中和剤が切れてしまいエラー930の表示となり給湯器が使えなくなります。
エラー930が表示される前に、給湯器専門業者に連絡して中和器を交換してもらうか、新しい給湯器に交換してもらうようにしましょう。

3．修理・交換する場合の費用相場

前章でお伝えしたとおり、エラー920が表示された場合の対処法は、中和器の修理交換、または給湯器本体の交換です。
それぞれの費用相場をご紹介します。

（1）中和器を修理する場合の費用相場

エラー920が表示されて中和器の交換をメーカーや修理業者に依頼する場合、12,000円から16,000円が費用の相場になります。
内訳としては、出張費が3,000円、作業費が5,000円、部品代が4,000円から7,500円が目安です。
メーカーによっては高額な修理費になる場合がありますので、給湯器専門業者に依頼する方がお得です。

＜中和器の修理の費用相場＞

修理費用だけでなく、メーカーの場合は修理までに時間がかかるケースが多いので、地元に密着しており、迅速に対応してくれる給湯器専門業者に依頼するとよいでしょう。
ただし、1年または2年のメーカーの保証期間がありますので、その期間中に中和器が不具合を起こした場合は、メーカーに連絡すると無料で修理してくれます。

一般家庭のガス給湯器の場合、中和器の寿命とエコジョーズの寿命はほぼ同時期になります。
寿命を過ぎると、中和器以外の部品も経年劣化します。
それを次々修理していると費用が高額になってしまいますので、10年を過ぎている場合は新しいガス給湯器への交換を検討しましょう。

（2）給湯器本体を交換する場合の費用相場

ガス給湯器を新しいエコジョーズに交換すると、本体価格・工事費込みでおよそ20万円から30万円になります。
すでにエコジョーズを利用している場合、ドレン排水用の工事は必要ありません。

しかも給湯器は、部品の製造が10年ほどで終了してしまうので、ほかの箇所の修理の際に部品が調達できない恐れがあります。
それでも出張費や故障診断料は有料になりますし、結局は新品購入となる可能性がありますので、中和器寿命のタイミングでガス給湯器自体を買い替えるのが一番いいタイミングです。

（3）給湯器の修理・交換は専門業者がおすすめ

ガス給湯器を新品と交換する場合、メーカーよりも給湯器専門業者の方が本体価格の割引率が高いため、中和器の点検からガス給湯器の購入・交換まで、すべて給湯器専門業者に依頼するのがおすすめです。
ただし、中には高額な費用を請求したり、手抜き工事を行ったりするような悪徳業者も混じっていますので、日ごろから信頼できる給湯器専門業者を探しておくといいでしょう。

業者のWebサイトを閲覧して、これまでの施工事例やお客様の声などを紹介していると実績豊富で信頼できる業者だと判断できます。
実際に見積もりをお願いした際にも丁寧に説明してくれて親身に対応してくれれば、安心して任せられます。

4．まとめ

省エネ性能の高いエコジョーズを長期間利用していると、エラー920がリモコンに表示される場合がありますが故障ではありません。
リモコンのリセットで表示は消すことができますが、エラー920は中和器の寿命が近いことを通知していますので、中和器の交換またはガス給湯器本体の交換を検討しましょう。

中和器は消耗品なので、定期的に交換が必要です。
そのまま使っていると中和器の寿命がきてしまい、エラー930が表示されてお湯が出なくなってしまいます。
エラー920が表示されてから、給湯器の使用時間の合計およそ50時間がそのリミットです。
給湯器の使用頻度にもよりますが、エラー920が表示された場合は1カ月以内には給湯器専門業者に依頼して交換工事を行うようにしましょう。

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