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「うちのエコキュートいつまで使える?」寿命を延ばす使い方と補助金を活用した交換費用相場

高効率給湯器「エコキュート」は光熱費が削減でき、環境にやさしい給湯器として国の補助金制度の対象になっています。
長く愛用されている家庭も多いですが、エコキュートにも寿命がありますので交換は必要です。
この記事を読むとエコキュートの寿命のサインや交換時に利用できる補助金制度、交換費用相場についてわかります。
目次
1.エコキュートの寿命は何年?寿命を延ばす使い方と交換の目安

エコキュートの耐用年数や交換時の目安、より長く使い続けるためのポイントについて解説していきます。
⑴メーカーが公表している耐用年数
一般的にエコキュート製造元のメーカーが公表している耐用年数は「10年から15年」です。
幅があるのは家庭によって使用頻度が異なるためで、家族が多く、毎日のお湯の使用量も多い場合は10年より早く寿命を迎える可能性があります。
逆に使用頻度が少ないのであれば、15年以上使い続けることも可能です。
⑵寿命を迎える前に出るサイン
エコキュートの設置から10年近く経過していて、不具合が起こるケースが多くなってきたら、エコキュートが寿命を迎えるサインです。
①エラーコードが頻繁に表示される
エラーコードが表示された場合でも、リモコンのリセットやエコキュート本体のリセットによって解除されるケースが多いです。
ただし、リセットを繰り返すたびに状況は悪化していきます。
経年劣化の影響もあり、エラーコードの表示が頻繁になっていきますので、無理に使い続けずにエコキュートを交換した方がよいでしょう。
②異音が聞こえてくる
エコキュートはファンモーターから駆動音がしますので「ブーン」といった音は正常ですが、「ボン」というような爆発に近い音が断続的にする場合は不完全燃焼を起こしている可能性があります。
また、「キュル」という音も故障している際に発生します。
使用を中止して専門業者に検査や修理をしてもらう必要がありますが、10年経過している場合は寿命のサインと考えた方がよいでしょう。
③出湯される温度が不安定
エコキュート本体の電子機器の経年劣化によって、寿命が近づくと出湯される温度が低くなったり、そもそもお湯が出なくなったりするケースが増えます。
電子機器を交換することで修理は可能ですが、高額になりますし、10年を過ぎているのであればほかの部品も経年劣化で故障しますので、交換した方がよいでしょう。
⑶修理できる期間は何年?部品保有期間とは
メーカーの保証期間は、貯湯タンクは5年、ヒートポンプユニットは3年、リモコンは1年です。
有償で保証期間を延長したとしても最長で10年ですので、エコキュートが不具合を起こして修理できる目安は10年と考えるのがよいでしょう。
故障箇所があってもメーカーの部品保有期間が製造後10年となっていますから、修理を依頼しても部品が調達できない可能性があります。
⑷エコキュートの寿命を延ばす使い方
エコキュートをより長く使い続けたい場合の気をつけたいポイントがこちらです。
- メンテナンスを定期的に行う。
- メーカーが使用禁止している入浴剤は使用しない(配管の腐食や詰まりの原因になる)。
- 屋外に設置しているヒートポンプユニットの周囲に物を置かない。
- 1カ月以上留守にする場合は水抜きをする。
- 専門業者に依頼して点検やメンテナンスをしてもらう。
- 寒冷地や塩害地域では対応機種を購入する。
2.エコキュート交換の費用相場

エコキュートは、メーカーやグレードによって性能が異なりますので、費用にも差があります。
以下はメーカー別のエコキュート交換(フルオート)にかかる費用相場です。
本体費用のほか、標準工事費用、撤去費用、消費税込みの金額です。
メーカー | 費用相場 |
パナソニック | 420,000円から650,000円 |
ダイキン | 445,000円から505,000円 |
日立 | 440,000円から825,000円 |
三菱 | 440,000円から545,000円 |
コロナ | 440,000円から720,000円 |
費用は、タンクの大きさによっても変わります。
550Lまたは560L(5人以上向け)だと460Lに比べて40,000円から80,000円ほど高くなり、370L(3人向け)だと460Lに比べて25,000円ほど安くなります。
さまざまな最新機能を搭載したプレミアムグレードの費用相場の比較はこちらです。
メーカー(シリーズ名) | 主な機能 | 費用相場 |
パナソニック(JPシリーズ) | ・湯温セレクト ・AIエコナビ ・ぬくもりチャージ ・リズムeシャワープラス ・うっかりアシスト | 630,000円 |
ダイキン(Aシリーズ) | ・パワフル高圧給湯 ・ウルトラファインバブル入浴 ・快速お湯はり ・温浴タイム ・ツイン給湯 | 490,000円 |
日立(ナイアガラタフネス) | ・水道直圧給湯 ・高速湯はり ・きらりUVクリーン ・シルキー快泡浴 ・インテリジェント制御 | 825,000円 |
三菱(Sシリーズ) | ・ハイパワー給湯 ・キラリユキープPLUS ・バブルおそうじおそうじ ・湯はリンク ・省エネ制御 | 545,000円 |
コロナ(プレミアム) | ・ES(エネルギーセーブ)制御 ・高圧力パワフル給湯 ・節水モード ・省エネ保温 ・貯湯ユニット内ステンレス配管 | 575,000円 |
コラム:従来型やエコジョーズから交換する場合と、エコキュートから交換する場合の工事費の違い
長く使用したエコキュートから新しいエコキュートへの交換は、標準工事費用で工事が可能です。
一方で、従来型のガス給湯器またはエコジョーズや、従来型の電気温水器から、エコキュートに交換する際には追加費用が発生します。
別途工事が必要になるため、ヒートポンプユニットを屋外に設置するための配管延長費が約25,000円、ガス給湯器からの交換の場合は分電盤の交換費用が約25,000円かかります。
約50,000円は追加費用がかかると考えておきましょう。
3.補助金を活用してお得に交換する方法

エコキュートの導入は、ランニングコストは軽減できても初期費用が高い点がネックになりますが、国や地方自治体の補助金制度が活用できます。
⑴国の補助金
国の補助金制度「給湯省エネ2025事業」では、エコキュートへの交換1台につき基本補助金額60,000円が交付されます。
性能によっては補助金額が加算されるため、最大加算額70,000円と併せて130,000円も安くエコキュートを購入できるのです。
電気温水器からの交換になると、撤去費用としてさらに40,000円が加算されます。
⑵自治体の補助金
国の補助金制度と地方自治体の補助金制度は併用が可能です。
東京都にお住まいであれば「東京ゼロエミポイント」を利用すると、12,000円が購入時に店頭値引きされます。
また、北海道であれば北海道電力が電気温水器からの交換を対象に100,000円の値引きキャンペーンを実施しています(いずれも2025年9月現在)。
お住まいの自治体に対象となる補助金制度がないか、事前に確認してみましょう。
⑶給湯省エネ2025事業を申請する流れと注意点
給湯省エネ2025事業の申請は購入者ではなく、購入した先のお店や業者が行います。
補助事業に登録していない業者から購入した場合は補助金が適用になりませんので、購入前に登録業者かどうか確認しましょう。
また、予算上限に達すると受付終了となりますので(2025年9月19日時点で予算の60%到達)、年内に交換を検討されている場合は注意が必要です。
申請はエコキュートの設置工事後となりますが、その際に予算上限に達していると補助金は交付されません。
4.交換を検討するタイミングと業者選び

エコキュートを交換する際の業者選びのポイントについて解説していきます。
⑴10年以上経過したら見積もりを依頼する
現在利用しているエコキュートが耐用年数の目安となる10年を経過したら、交換先の検討を始めましょう。
10年を過ぎてエラーコードが頻繁に表示されるようになったり、不具合が起こるようになってきたら、修理より交換がお得です。
メーカー、ホームセンター、リフォーム業者や給湯器専門業者など、エコキュートの購入先は複数ありますので、事前にいくつかの業者に見積もりを出してもらうと選びやすくなります。
極端に高い見積もりの業者だけでなく、極端に安い見積もりの業者も工事後の追加請求などのトラブルのリスクが高いため避けた方が賢明です。
⑵信頼できる業者の見分け方
給湯器専門業者の値引率が一番高いので人気がありますが、中には悪徳業者も混じっていますので注意が必要です。
信頼できる業者を探すポイントは、その業者のWebサイトをじっくり確認し、「実際の工事写真」「お客様の評価や感想」「工事担当者の名前や写真」「どのような資格を保有しているのか」「アフターサービスの内容」といった点に注目しましょう。
費用の安さだけで選ぶのではなく、実績があり、保証やアフターサービスが充実している業者がおすすめです。
⑶地域密着型業者のメリット
ホームセンターや全国展開の交換業者の場合、エコキュートの交換工事を実際に施工するのは下請け業者になり、その実績はわかりません。
購入先と施工業者の間での連絡が必要になるため日程調整に時間がかかったり、施工業者の技術力に問題があったりする可能性があります。
その点、実績のある地域密着型業者は対応が迅速ですし、施工も直接行ってくれますので安心です。
5,よくある質問

Q1:エコキュートは最長で何年くらい使える?
メーカーが想定する耐用年数は 10~15年です。
使用環境が良ければ15年以上持つケースもありますが、部品供給は概ね10年で終了するため、修理対応できないリスクも考慮が必要です。
Q2:10年以内でも交換が必要になるケースは?
設置環境が厳しい(塩害地域・寒冷地など)場合や、使用頻度が高い家庭では 7~10年で不具合が出ることがあります。
水漏れ、エラーコード頻発、異音、湯切れなどが交換のサインです。
Q3:補助金はいくらくらい出る?
国の「給湯省エネ2025事業」では、家庭用エコキュートの導入で 最大13万円 の補助金が受けられます。
自治体によっては、さらに数万円~十数万円の上乗せ補助がある場合もあります。
Q4:補助金を使うにはどんな条件がある?
省エネ性能を満たした対象機種であること、登録された施工業者による設置であること、そして所定の期間内に申請することが条件です。
申請は原則として施工業者が行うため、依頼時に「補助金に対応していますか?」と確認しましょう。
Q5:交換時期を見極めるチェックポイントは?
以下の現象が出ている場合は、交換を検討するタイミングです。
- 設置から10年以上経過している
- お湯が設定温度まで上がらない
- 異音や振動が大きくなった
- 水漏れやさびが目立つ
- エラーコードが頻繁に表示される
6.まとめ

エコキュートは、光熱費削減に大いに活躍してくれます。
耐用年数の10年を目安に交換することで、さらに効率よく節約することが可能です。
交換時には補助金制度を有効活用し、信頼できる交換業者に依頼されることをおすすめします。