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エコキュートの台風対策!台風やゲリラ豪雨で出やすいエラーコードと浸水時の対処法

夏から秋にかけて、日本では台風やゲリラ豪雨による水害が発生するリスクが高まります。
通常の雨であれば問題ないエコキュートですが、浸水してしまうと不具合が起こります。
この記事を読むと、高価なエコキュートを守るための台風対策や不具合が起こった際の対処法、火災保険が適用となるかどうかがわかります。
目次
1.エコキュートは台風・豪雨に弱い?よくあるトラブル事例

7月から10月にかけて日本は台風の時期ですが、近年は台風が上陸しなくても線状降水帯による大雨やゲリラ豪雨による被害が増えています。
この期間に発生するエコキュートのトラブルについて解説していきます。
(1)停電による停止
台風によって、地域一帯が停電してしまうケースがあります。
停電していても断水していなければ、貯湯タンクのお湯を使うことが可能です。
ただし、湯温の調整ができませんので、やけどしないようにご注意ください。
断水も同時に発生している場合、お湯は使えませんが、貯湯タンク内の水を生活用水として利用できます。
停電が解消したら、ズレてしまったエコキュートの時刻を再設定してください。
(2)雨水の吹き込み・浸水
大雨が降ったとしても、それだけでエコキュートが故障することはありません。
問題は、洪水やゲリラ豪雨によってエコキュート自体が水没してしまうことです。
エコキュート本体が浸水してしまうと、故障のリスクが高まります。
(3)電子基板のショート
冷却水やお湯が水漏れし、エコキュート内の電子基板に直接触れてしまうとショートしてしまうのですが、洪水やゲリラ豪雨による浸水によって本体内部に水が入り込んでも同じような現象が起こります。
電子基板がショートしてしまうと、災害後に電気が復旧してもエコキュートは使用できません。
(4)ヒートポンプユニットからの異音・振動
屋外に設置しているヒートポンプユニットは、稼働している際に低周波音を発したり、ファンモーターによる駆動音がします。
ブーンという音は正常ですが、台風などによって飛来した物がヒートポンプユニットに混入すると「カタカタ」といった異音を発することがあります。
異物の混入によってファンモーターが故障した場合も異音がします。
2.台風・ゲリラ豪雨時に出やすいエラーコード一覧と原因・対応方法

エコキュートのエラーコードはメーカーによって異なります。
台風・ゲリラ豪雨によって発生しやすいエラーコードを、メーカーごとに紹介します。
これらのエラーコードが出た際はご自身では対処ができませんので、電源を落として業者へ連絡しましょう。
(1)パナソニック
エラーコード | 主な原因 |
H32、H33、H34、H35、H37、H39、H45、H46、H81、F36、F37、F38、F40、F41、F42、F43、F44、F45 | 各サーミスタの異常・断線・ショート |
H66、F15 | ファンの異常 |
H70 | 通信異常、制御基板不良 |
H90、F23 | ヒートポンプユニットの異常、回路の不具合 |
H92、H93、H94、F11 | 各配管の詰まり |
F17 | 漏水 |
(2)ダイキン
エラーコード | 主な原因 |
C79、H9、H33、H34,H35、H37、HC、J3、J6、J8 | 各サーミスタの異常 |
C73 | 漏水 |
L4、P4 | ファン異常 |
HJ | 循環水系統異常 |
FA、H8、U2、U4 | ヒートポンプユニット基板故障 |
(3)日立
エラーコード | 主な原因 |
HE04、HE05、HE06、HE06、HE07、HE08、HE09、HE10、HE11 | 各サーミスタの異常 |
HE15 | ファン異常 |
C09、Er 15、Er 16、Er 29、HE03 | 配管の詰まり |
C01、Er 31、HE19、HE22、HE23、HE24、HE25、HE26、HE27、HE28、HE29、HE31、HE32、HE40、HE41、HE44、H17、H20、H21、HP46 | ヒートポンプユニット基板故障 |
(4)三菱
エラーコード | 主な原因 |
C04、C05、C06、C07、C08、C09、C11、E05、E06、E07、E08、E09、E10、E11、E12、E13、E16 | 各サーミスタの異常 |
C15 | ファン異常 |
F08 | 漏水 |
U21、U22、U29、121 | 配管循環不良 |
C12、C24、H11 | ヒートポンプユニット基板故障 |
(5)コロナ
エラーコード | 主な原因 |
E01、E02、E03、E04、E05、E06、E07、E08、E09、E10、E32、H04、H05、H06、H07、H08、H09、H10、H11、H12、U01、U02、U03、U04、U05、U06、U07、U08 | 各サーミスタの異常 |
E14、E50 | 配管の詰まり |
E37 | 漏水 |
H15 | ファン異常 |
E27、H22、H23、H24、H25、H26、H28、H29、H30 | ヒートポンプユニット基板故障 |
3.台風前にできるエコキュートの事前対策

台風が本格的に日本に上陸するのは、8月・9月です。
特に被害が大きくなる大型台風の上陸は9月になりますので、事前にできる対策を行い、エコキュートの被害を最小限に抑えましょう。
(1)漏電遮断器をOFFにする
台風による浸水や落雷による被害を最小限に抑えるために、まずは貯湯タンクにある「漏電遮断器」をOFFにします。
通電を停止することで、浸水した場合の漏電や火災を起こりにくくできます。
落雷による過電流「雷サージ」によってエコキュートが故障する可能性もありますので、通電状態を切るために漏電遮断器をOFFにし、屋内ブレーカーも切っておくのがよいでしょう。
(2)本体周囲の風飛物・落ち葉・泥対策
貯湯タンクとヒートポンプユニットは、通常屋外に設置しています。
ヒートポンプユニットは衝撃には強くないので、台風が近づいてきたら注意が必要です。
まず、周囲に台風で飛ばされそうな物があれば片付けましょう。
落ち葉などが散乱していると吹き出し口を詰まらせる原因になりますので、清掃しておくのがよいでしょう。
砂利やコンクリートで地面を固めておくと、泥ハネの影響も軽減できます。
(3)排水口・ドレンの詰まり除去
正常に排水がされないと、ヒートポンプユニットの故障の原因になってしまいます。
台風が近づく前に排水口やドレンホースに落ち葉や泥が詰まっていないか確認して、清掃しておきましょう。
台風が来たらまた詰まってしまいますが、台風が過ぎた後の修復がしやすくなります。
特にヒートポンプユニットに接続されているドレンホースの状態は、よく確認しておくとよいでしょう。
(4)地盤の低い場所では、簡易的な囲い(防水シートなど)も有効
大雨が降ると低地に水が集まるため、浸水しやすくなります。
ハザードマップで想定浸水深を事前に確認しておき、浸水のリスクの高い場所では防水シートなどでエコキュートを簡易的に囲んでおくことも有効な備えです。
また、都市部であっても、アスファルトの舗装によって大雨が地中に浸透せず、排水処理が対応できずに氾濫状態になることもありますので注意が必要です。
4.もし浸水してしまったら?やってはいけないNG行動と正しい対処

自然災害は、どうしても避けられない場合があります。
もし、台風やゲリラ豪雨によってエコキュートが浸水してしまった場合、どのように対処すればよいのか解説します。
(1)やってはいけないNG行動
台風が近づいてきたら、事前対策として漏電遮断器をOFFにしておきますが、エコキュートが浸水してしまった場合は、水が引いても絶対に電源を入れてはいけません。
台風が過ぎると一転して天気になり、エコキュートも乾いたように見えますが、内部に水が残っていたり、泥のような不純物が入り込んでいたりすると、電源を入れた瞬間に漏電したり火災が起こる危険性があるからです。
だからといって、自分で蓋を開いて内部を確認したり、分解してみるようなこともやめましょう。
致命的な故障に繋がる可能性があります。
(2)水が引いたあとにやるべき対応
水が引いたあと電源は切ったままの状態で、メーカーや施工業者などの専門業者に点検を依頼しましょう。
お客様ご自身ができることは、火災保険の申請や保証確認のために状態を写真に撮っておくことです。
修理か交換かの判断で迷う場合、保証期間内であれば無料で修理ができます。
ヒートポンプユニットが浸水で故障してしまった場合、電子基板の修理が高額になります。
設置から10年以上経過しているのであれば、修理ではなくエコキュート自体を交換した方がお得です。
電気の使用量が増加しているなど性能低下が気になる場合も、修理ではなく交換をした方がよいでしょう。
ゲリラ豪雨や台風によるエコキュートの故障に火災保険は使える?
台風やゲリラ豪雨による浸水でエコキュートが故障した場合、火災保険が適用になるケースがあります。ただし、契約内容が「家財」のみ対象となっている場合は適用になりません。
エコキュートは「建物」と見なされるので、補償対象が「建物」または「建物と家財」の契約をしていることが条件です。
また、「水災補償」「風災補償」が含まれているかどうかも確認してください。
水災補償が含まれていても、床上浸水や45cm以上の浸水といった条件を満たしていなければなりません。
被害状況は写真に撮って記録しておきましょう。
専門業者が点検して見積もりを出しますが、被害総額が火災保険の免責金額以下になると補償は受けられません。
市区町村が発行する「被災証明書」が必要となるケースもあります。
5.まとめ

ゲリラ豪雨も毎年増えてきていますし、台風の備えも毎年必要です。
高額なエコキュートですから、耐用年数までしっかり使い続けられるよう、台風対策や被災した場合の対処法を把握しておくことはとても大切です。
浸水によるエコキュートの故障は、火災保険が適用される場合があります。
適用範囲は契約内容によって異なりますので、この機会にご自身の契約内容を確認しておくことをおすすめします。